2023.03.26
コラム
『スタッフ通信』Vol.15 ~小道具②~

こんにちは。小道具係のあつおです。
Frozen IIで作った小物のいくつかを紹介します。

①剣と盾
アレンデールの兵士たちが持つ剣と盾です。大体こういうのは練習中に折れたり曲がったりするものなので、本気の殺陣にも耐えられるようにビジュアルよりも頑丈さを重視して作りました。木材の先を切って剣のような形にして、銀色に塗っただけですが、結構剣に見えたと思います。

また演出上、アレンデール兵たちは盾を剣でガンガン叩いて威嚇します。盾などの小物はコスプレ等ではウレタンなどの柔らかくて軽い素材で作るのがメジャーですが、監督とマティアス役からのオーダーで、本当に叩いて音を出したいとのことだったので悩みました。結局、ステンレスの板をウレタンにくっつける形で実現しました。

ダイソーのステンレストレーを金切鋏と金槌で盾っぽい形に成形して、盾の形に切り出したダイソーのタイルマットにくっつけました。こういうものは接着剤で止めると剥がれちゃうものなので(そしてだいたい壊れて欲しくないタイミングで壊れるもの)、それぞれタコ糸でがっつり縫い付けました。

もう少しかっこいい音がしたら良かったんですが……結果としては及第点でしょうか。

②松明
アナとオラフが洞窟で使った松明です。不織布で炎を作るとそれっぽくなります。ただ、ただのライトだとあまり火っぽくないんですね。いいものが見つからず本番直前までまったく手付かずでした。どうしたもんか……と、とりあえず船橋のダイソーに行ったところ、ちょうどいいのがあるじゃないですか、炎のようにメラメラ光るLEDライトが。昨今のキャンプブームのおかげですね。

これを分解して中身だけ取り出して、角材の先に取り付けることで松明の出来上がりです。ところが、実際にはオラフが死ぬシーンの暗転と合わせて火を消さなくてはなりません。役者が暗闇でも火を消せるよう、本番前日に秋葉原まで行ってトグルスイッチを買ってきて付け替えました。前回のThe Greatest ShowmanでもWishing Machineを光らせたり消したりするのに苦労しましたが、電子工作のスキルも上げていきたいところです。

▲アナが持っているのが松明

③地図
アナとエルサが難破船で見つけるアートハランの地図です。客席からはあまり見えませんが、ちゃんと描いてあります。これは完全に自己満足ですね。画材屋に行って「古そうな紙はないですか……?」と聞いて、もう捨てようと思ってた古い画用紙を格安で譲ってもらってきました。少しでもそれっぽく見せるために万年筆を買ってきて、地図を描き、絵の具で色付けしました。本当は日に当てたりしてもう少し色褪せてる感じにしたかったのですが、作ったのが真冬だったので仕方ないですね。

地図が入っていた筒は、お土産の中国茶の筒を2個つないだものです。お茶用なので気密性がすごいものですから、結構力を入れてもなかなか開かないという問題が発生しました。結局、底にこっそり穴を開けて空気の逃げ場を作ってやったため、アナが「waterproof」と言っていましたが、あれは嘘です(笑)

———

終演後、これら3つは回収してきました。(保管場所があれば全部取っておきたいのですが……)
地図は部屋に飾って、剣と松明は次回以降の出番のために改良しておこうと思います。松明はLes Misérablesのときも使ったし、剣もたいていの王子様は持ってますから、そのうちまた出番があると思います。剣は鞘を作りたいですね。

小道具は、安く、それでいて本物っぽく、頑丈に(そして壊れたらすぐ直せるように)と、色々と工夫のしがいがあります。舞台を見るときに注目してもらえると嬉しいです。

SHARE