第7弾プロジェクト『Frozen II』で、音楽制作を担当したトトです。 公演をご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました!
この劇団には、優秀なミュージシャンの方が複数いらっしゃり、オリジナルの名曲「Brand New Day」や「Proud of Arendelle」を作られたり、ゴスペルの経験を活かした歌唱指導をされたりと、音楽の軸を築いてくれました。私はこの方々のサポートを、主に楽譜制作やコーラスパート制作、歌いやすくするための音源修正やリミックスをするなどの形で担当させていただきました。
また、DTM(Desk Top Music)を使用した音楽の創作活動も担当しました。勉強しながらだったので効率も悪くかなり多くの時間を費やしましたが、自分としては大変おもしろくやりがいのある活動でした。
特に、映画にはない「森の中で」というシーンが2つあり、このBGM制作を担当させていただいたことが爆裂に面白かったです。そもそもこのシーンは、役者の着替え時間を確保するために挿入されたため、尺の確保がポイントとなります。演出からの時間指示に沿った音楽を、オリジナル曲「Brand New Day」のマイナーアレンジを軸に作曲しました。
特に「森の中で②」については、原作にはっきりとした筋がないシーンだったこともあり、脚本づくり・BGMづくり・演出・そして出演(Mattias役)の4つをすべて私に任せていただくという、「これ以上ないくらい面白い」ことをさせていただきました(笑)
▲「森の中で②」のシーン
「森の中で①」はバイオリン、「森の中で②」はサックスをそれぞれ主旋律に作曲しましたが、特に②のサックスは、打ち込み音源特有の「機械っぽい音」を解消することに苦労しました。音の強さや開始位置、テンポをごくわずかにずらしたり、こぶしを効かせるために音同士を滑らかにつなげたり、音の終わりに少しだけ高さをずらしたりと、人間らしい音にする工夫を何度も夜中まで作業をして作り直しました。改善前の音と、改善後の音を聞き比べてみてください。少しは生演奏のテイストに近づけられていますか?
▲DTM「森の中で②」の画面。Sax主旋律を「Pitch bend」で調整している
▲「森の中で②」の改善前(上)・改善後(下)の音源。聞き比べてみてください。【効果音提供 魔王魂様】
また、カーテンコールについても、最後を華々しく盛り上げて締めるために、リミックスと作曲を組み合わせ制作したものを提案し、本番直前にバタバタと練習をし仕上げました。お客様のアンケートにお褒めの言葉があったことや、演出に「こんなカッコイイカーテンコールはじめてだったな」と言ってもらえたことは、本当に嬉しかったですね。
▲カーテンコールのシーン
「ミュージカル」というだけあって、音楽の力は大きいです。そんな音楽に少しでも携わることができ、たいへん良い経験ができました。ご指導いただいた皆様に、心から感謝しております。寝る時間も忘れるほど夢中になれることがある幸せを感じながら、次のプロジェクトにも臨みたいです。